今回のテーマは「二次判定」です。
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認定調査
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一次判定
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二次判定(今回の学習範囲)
認定関係もいよいよ終盤戦。
前回講座では一次判定で要介護・要支援区分まで判定しましたが、今回は事実上の要介護度の決定(正確には二次判定結果を基に保険者が認定)となる二次判定の部分を学んでいきましょう。
[char no="3" char="マロン2"]今回は過去問も4問あるよ!それだけ重要ということだね[/char]
二次判定
まずは、フロー図で流れを復習しましょう。
主治医意見書、一次判定結果、認定審査の特記事項ををもとに、市町村に設置された介護認定審査会が次の点を審査・判定します。
- 要介護状態に該当するかどうか
- 該当する場合の要介護度
- 第2号被保険者の場合は、要介護状態の原因が特定疾病かどうか
介護認定審査会では、基本調査項目と特記事項、主治医意見書などを確認し、矛盾点がないかなども確認します。
審査・判定のうえで必要があれば、介護認定審査会は、被保険者や家族、主治医などの関係者に意見を求めることができます。
[char no="2" char="マロン"]基本調査項目は要介護度のベースになるから、おかしいところがないか確認してるんだね[/char]
主治医意見書
主治医意見書の項目について、過去問で出題されているので必ず現物を確認しておきましょう。
主治医意見書は、認定調査と並行して、保険者が「被保険者が申請書に記載した主治医」に対して依頼します。
主治医がいない場合は、「市町村の指定する医師」や「市町村の職員である医師」が診断して意見書を作成します。
ちなみに、第9回講義で、正当な理由なしに認定調査に応じない場合は認定申請を却下できることに触れましたが、同じように、市町村の指定する医師等の診断を拒否した場合も市町村は認定申請を却下できます。
認定の根幹に関わる部分について、不当に応じなければ、申請すら受け付けないということですね。
主治医意見書の様式
主治医意見書の様式は全国統一です。
第19回の過去問では、その項目内容の細かいところを聞いてくる問題が2問出題されています。
様式を見る前に問題を確認しておきましょう。
過去問(第19回出題)[br num="1"]要介護認定に係る主治医意見書における「医学的観点からの留意事項」の項目として正しいものはどれか。3つ選べ。
- 血圧
- 飲水
- 摂食
- 排泄
- 嚥下
正解は、1、3、5なのですが、どれも正解に見えませんか?
業務上、普段から主治医意見書を見ている方は、なんとなく覚えているかもしれませんが、そうでなければわからないと思います。
余裕があれば別ですが、項目を丸暗記するのは非効率なので、「これはあったはず・・・」というレベルまで持っていって選択肢を削るのが現実的です。
理屈があって、「こうだからこうなる」という因果があるものは覚えやすいですが、この項目のように「理屈なく覚えるだけのもの」を暗記するのは難しいものです。
少し脱線しますが、暗記は能力よりも方法が重要です。忘却曲線という有名な言葉がありますね。検索するとわかると思いますが記憶を定着させるためには、反復が大事です。
定期的に眺めて、項目を口に出してみることは重要です。しかし、反復すればするだけ忘れにくくはなりますが、それでも時間がたてば忘れます。
知識系の受験で最重要なのは、少なくとも「理屈なく覚えるだけのもの」は試験の直前に一通り覚えなおして忘却曲線をリセットすることです。
試験範囲の広い知識系の資格の鉄則は、
- 理屈があるものはしっかり理解して知識として定着させておく
- 理解する系ではなく単純な暗記系は直前に反復
試験直前は忙しいので、「2の量を減らすこと」と「2が効率よくできるよう情報をまとめて、直前に何回か反復できるように準備しておくこと」が重要です。
様式はこちら>>>主治医意見書
確認しましたか?
それではもう1問
過去問(第18回出題)[br num="1"]要介護認定における主治医意見書の項目として正しいものはどれか。3つ選べ。
- 認知症初期集中支援チームとの連携に関する意見
- 心身の状態に関する意見
- 社会生活への適応に関する意見
- 傷病に関する意見
- 生活機能とサービスに関する意見
どうでしょうか。
正解は、2、4、5です。
1は間違い。そんな項目見当たりませんね。
3も間違い。これは認定調査の基本調査項目です。
医学的意見であることを考慮すると、「社会生活」は覚えてなくてもなんとか選択肢を切れる範囲ではないでしょうか。
なんにせよ、基本調査項目と主治医意見書の項目を入れ替えてくるパターンがあるので注意が必要です。
判定結果の市町村への通知
介護認定審査会は、審査・判定結果を市町村へ通知しますが、その際に次の事について意見を述べることができます。
- 要介護(要支援)状態の軽減または悪化防止のたまえに必要な療養に関する事項
- サービスの適切かつ有効な利用などに関し、被保険者が留意すべき事項
- 認定の有効期間の短縮や延長に関する事項
審査会によって意見が述べられてた場合、市町村はその意見に基づき、その被保険者が受けられるサービス種類を指定することができます。
介護認定審査会
審査会についても確認しておきましょう。
介護認定審査会は、医者などの学識経験者から構成される合議体で、市町村の付属機関で、複数の市町村で共同設置することもできます。
委員は市町村長が任命し、任期は2年で再任が可能。
委員は、みなし公務員として守秘義務があります。
合議体の構成については次のとおり
- 委員定数は5人を標準として、市町村の条例で定める(更新認定や委員の確保が難しい場合は市町村判断で5人未満3人以上で定めれる)
- 原則、保険者である市町村職員は委員になれない
- 委員の互選で委員長を1人おく
- 開催、議決には委員の過半数の出席が必要
- 議決は出席委員の過半数、可否同数の場合は委員長が決定
過去問
過去問(第16回出題)[br num="1"]介護認定審査会について正しいものはどれか。2つ選べ。
- 市町村の付属機関である。
- 委員の定数は、被保険者数に応じて都道府県が定める。
- 委員は、市町村長が任命する。
- その合議体の長は、市町村長が指名する。
- その合議体の委員定数は、都道府県が条例で定める。
次は認定に関してのまとめ的な1問
過去問(第17回出題)[br num="1"]要介護認定について正しいものはどれか。3つ選べ。
- 介護認定審査会は、複数の市町村で共同設置することができる。
- 主治医意見書の項目には、医学的管理の必要性が含まれる。
- 介護認定審査会は、必要があるときは、主治医の意見を聞くことができる。
- 介護認定審査会は、認定に際してサービスの種類の指定権限を持つ。
- 認定されなかった場合には、被保険者証は返還されない。
4は間違い。審査会の意見をもとに市町村が指定します。
5も間違い。認定が出ると介護度などを印字して、認定が出なければそのまま返ってきます。
最後に主治医意見書の復習の1問。
過去問(第19回出題)[br num="1"]要介護認定に係る主治医意見書における「医学的管理の必要性」の項目として正しいものはどれか。3つ選べ。
- 訪問薬剤管理指導
- 訪問保清指導
- 訪問栄養食事指導
- 訪問歯科衛生指導
- 訪問飲水管理指導
正解は、1、3、4です。
お疲れ様でした。今回はこれで終わります。
次回の講座はこちら>>>【ケアマネ試験講座~第12回】市町村の認定