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【ケアマネ試験講座~第13回】保険給付通則

今回のテーマは「保険給付通則」です。

前回までは介護認定について学んできましたが、今回からは給付の内容に移ります。

給付については、どんなサービスがあって、利用した場合にどういう仕組みで給付されるのかを学習していきますが、今回は、まず保険給付の通則的な部分を学んでいきます。

通則の論点はいくつかありますが、ここでは他制度との給付調整第三者行為求償の2点を学びます。

ほかの制度との給付調整

介護保険の給付を具体的に学んでいく前に、ほかの制度との給付調整について確認しましょう。

給付調整とは、どういうことかというと、同じようなサービスが他制度にあるとき、どちらからお金を出すのかということです。

例えば、

自宅にホームヘルパーがやってきてサービス提供する「訪問介護」

介護保険の代表的なサービスですが、障がい制度の中にも「居宅介護」という名前でホームヘルプサービスがあります。

介護の認定も、障がいの認定も両方持っている場合にどちらを利用するのでしょうか。

ほかにも、看護師等がやってきて自宅療養の支援をする「訪問看護」についても、介護と医療の両制度に同じサービスが存在します。

このように、制度間の類似するサービスを両方とも利用できる場合に、どちらの制度から給付を行うかという問題に対応するため、優先順位が決められています。

介護保険の給付が優先される制度

  • 医療保険各法の給付
  • 障害者総合支援法の自立支援給付
  • 生活保護法の介護扶助

上にあげた各制度より介護保険が優先なので、介護保険から給付を行います。

ただし、介護保険が優先だからといって各制度のサービスが全く使えないわけではありません。

例えば、視覚障害者の外出を支援する「同行援護」や、就労に伴う課題に対する支援を行う「就労支援」系のサービスなどは、介護保険にはないサービスなので、介護の認定を持っていても利用できます。

そのほか、医療との関係でも、訪問看護は先に述べたように介護保険優先ですが、特定の疾病に該当したり、医者の特別な指示が出ている場合は、例外的に医療保険から給付される場合があります。

[char no="3" char="マロン2"]内容が同じサービスは介護優先だけど、介護保険にないサービスや状態によっては他制度が利用できるよ[/char]

生活保護法についても介護優先なのは変わらないですが、生活保護制度には固有のサービスはないので、お金の適用関係の話になります。

図で説明しましょう。

サービス費用10,000円 介護保険1割負担の人の場合

9,000円[br num="1"](給付) 1,000円[br num="1"](自己負担)

生活保護の人で、要介護状態の場合、介護保険の資格がない人は10,000円が生活保護の介護扶助として支給されますが、介護の資格がある人は介護優先となるので9,000円は介護の給付で、残りの自己負担部分1,000円が生活保護の対象となります。

結果、利用者負担はなしということですね。

医療、障がいと違って、生活保護はサービス種類は関係ありません。医療、障がいは同内容サービスの場合に、上の図の給付部分をどの制度で担当するかの話でした。

ちなみに、生活保護の人で、要介護状態なのに介護保険の資格がない人とは、40歳~64歳までの2号被保険者のことですね。

復習になりますが、第6回講義「被保険者の資格要件」みなし2号という名称で登場しました。

介護保険の給付より優先される制度

次の各法により、介護保険の給付に相当する療養や介護の保障が受けられるときは、介護保険よりも優先されます。

労働災害 ・労働者災害補償保険法[br num="1"]・船員保険法[br num="1"]・労働基準法 など
公務災害 ・公務員災害補償法[br num="1"]・証人等の被害についての給付に関する法律
国家補償 ・戦傷病者特別援護法[br num="1"]・原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律 など

この3つの分野の法律を基に、介護相当の給付を受けられるときは介護保険から給付しません

用語解説労働災害:業務上の事故など[br num="2"]公務災害:公務員の業務上事故や公務協力で証人となったことで被害を受けるなど[br num="2"]国家補償:戦争関係など国家が補償すべきこと

[char no="2" char="マロン"]「労災関係」や「それは国家が賠償すべき」という内容は介護保険に優先するよ[/char]

そのほか、優先順位や適用関係の話ではないですが、少し特殊なケースとして、老人福祉法の措置により介護サービスを受けることができる場合があります。

老人福祉法の措置とは、第1回講座「介護保険制度の創設」で学んだように、介護保険制度が作られる前の介護を担っていた制度です。

介護放棄や虐待などのやむを得ない理由により、介護保険のサービスを利用できない場合は、老人福祉法に基づく市町村の措置により介護サービスを利用できます。

以上で、他法との給付調整の部分は終わりになるので、いったん過去問で再確認です。

過去問(第18回出題)[br num="1"]介護保険給付が優先するものについて正しいものはどれか。2つ選べ。

  1. 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律による自立支援給付
  2. 証人等の被害についての給付に関する法律による介護給付
  3. 健康保険法による療養の給付
  4. 労働者災害補償保険法による療養補償給付
  5. 戦傷病者特別援護法による療養の給付
正解は1と3ですね。

第三者行為と損害賠償請求権

給付の通則2つ目の論点です。

要介護状態になった理由が、交通事故など第三者(加害者)による行為の場合、被保険者(被害者)が損害賠償を受けたときは、市町村は、その損害賠償の範囲内で、保険給付を行う責任を免れます

簡単にいうと、「第三者が交通事故を起こさなければ保険給付する必要なかったんだから、損害賠償分はお金出さないよ」ということです。

ただ、被害者は介護サービスがすぐに必要なことが多いので、お金で揉めている場合ではありません。

保険給付も受けられない、損害賠償も時間がかかる、となると被害者が自費で介護を受けるという困ったことになるので、

  1. 市町村は通常どおり被保険者に保険給付
  2. 「被保険者(被害者)が第三者(加害者)に損害賠償請求する権利」を給付額を限度に被保険者に代わって市町村が取得
  3. 市町村が第三者(加害者)から損害賠償を受ける

というステップでお金を回収することで、被保険者は費用の心配なく、すぐに介護サービスを受けることができます。

ちなみに、2番の損害賠償請求権の代位取得は、介護保険法に規定されています。

過去問

過去問(第16回出題)[br num="1"]介護保険給付について正しいものはどれか。3つ選べ。

  1. 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律により介護給付に相当する給付を受けられるときは、一定の限度で介護保険の保険給付は行われない。
  2. 給付事由が第三者の加害行為による場合に、第三者から同一の自由について損害賠償を受けたときは、市町村は、賠償額の限度で保険給付の責任を免れる。
  3. 第1号被保険者に対し生活保護から介護扶助が行われた場合は、保健給付は行われない。
  4. やむを得ない事由により介護保険からサービスを受けられない場合には、例外的に老人福祉法に基づく市町村の措置によるサービスが受けられる。
  5. 保険給付を受ける権利は、差し押さえることができる。

正解は1、2、4

5については、介護保険法に「保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない」と規定されているので間違いですが、これを覚えるよりは、その他の選択肢で正解を確定させる問題です。

今回は以上で終了です。お疲れ様でした。

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