今回のテーマは「市町村の認定」です。
第8回から続いた、ケアマネ試験の最重要ポイントである要介護認定関係の講座は、今回で最後となります。
それでは最後の仕上げとして「二次判定後の市町村の認定」や「そのほか認定に関する細かいルール」を確認していましょう。
市町村の認定
介護認定審査会による二次判定の結果に基づいて、市町村は要介護、要支援の認定、または非該当の認定を行います。
市町村の認定結果は、認定申請者に通知され、該当する要介護状態区分と介護認定審査会の意見を被保険者証に印字して返還します。
非該当の場合でも被保険者証は返還します。
被保険者は、市町村の認定結果に不服がある場合は、都道府県に設置された介護保険審査会に対して、審査請求をすることができます。
[char no="4" char="マロン疑問"]「介護認定審査会」と「介護保険審査会」がややこしいね[/char]
介護認定審査会は、認定のための市町村の付属機関。
介護保険審査会は、都道府県にある審査請求機関。
名前も似ているので要注意です。市町村と都道府県を入れ替えてくるパターンなどが想定されます。
認定までの期間
市町村による認定は、原則、認定申請のあった日から30日以内に行います。
あまり長くなると申請者を不安定な状態におくことになるので期間が定められています。
ただし、調査日程の関係など、やむを得ない事情で間に合わない場合は、申請日から30日以内に、その理由と見込み期間を通知するようになっています。
認定の効力
認定の効力は、申請日にさかのぼります。
例えば、4月1日に認定申請をして、認定調査、一次判定、二次判定を経て、最終的に4月25日に市町村が要介護1の認定をした場合は、4月1日から要介護1ということになります。
つまり、申請日以降(4月5日や10日など)に利用したサービス(暫定利用)については、認定日(4月25日)より前の利用であったとしても、保険給付の対象になるということです。
非該当になれば当然、暫定利用分は保険給付にならない=全額自己負担なのでリスクがあります。
「認定までの期間」の項目で述べたように、こういう不安定な状態が長くならないように、認定申請から30日以内に結果を出すようになっています。
[char no="2" char="マロン"]認定の効力は、認定日にさかのぼるという誤った選択肢が頻出!正しくは申請日にさかのぼるよ[/char]
認定有効期間
新規認定と区分変更の認定の場合は、原則6か月。
更新認定の場合は、原則12か月となります。
介護認定審査会の意見に基づき、市町村が特に認める場合は、新規、区分変更の場合は3~12か月の範囲で、更新の場合は3~24か月の範囲で設定することが可能です。
まとめると次のとおり。
原則 | 設定可能 | |
---|---|---|
新規 | 6か月 | 3~12か月 |
区分変更 | 6か月 | 3~12か月 |
更新 | 12か月 | 3~24か月 |
住所移転時の認定
要介護または要支援の認定者が、市町村外へ住所を移して、保険者が変更になる場合は、転居前の市町村から受給資格証明書という書類の交付を受けます。
転居後の市町村で転入日から14日以内に受給資格証明書を添付して認定申請をすることで、認定を引き継ぐことができます。
受給資格証明書は認定を受けていることの証明書になるので、新しい市町村で改めて、認定調査や一次判定、二次判定を受けなくても、同じ要介護度を引き継ぐことができます。
この場合、新しい市町村では、新規認定の扱いとなるため、例え前市町村で6月以上の有効期間があったとしても、原則6か月だけの有効期間となります。
過去問
最後に過去問を確認しましょう。
過去問(第19回出題)[br num="1"]要介護認定、要支援認定の有効期間について正しいものはどれか。3つ選べ。
- 区分変更申請の場合は、6月間が原則である。
- 区分変更申請の場合は、24月間の設定が可能である。
- 新規申請の場合は、24月間の設定が可能である。
- 新規申請の場合は、12月間の設定が可能である。
- 新規申請の場合は、3月間の設定が可能である。
正解は、1、4、5です。
以上で認定関係の講義は終了です。
お疲れ様でした。
次回からは保険給付の内容となります。